浦安市立図書館

日本人の「衣」

画像:セーラー服と女学生

セーラー服と女学生

内田静枝/編著 河出書房新社 2018年

日本の女学校にセーラー服がもたらされたのは大正時代、1920年頃と言われる。現代では、制服のない学校の生徒が、「制服風の私服」としてセーラー服を着て通学する現象も起きている。100年以上にわたり、女学生のアイコンとしてセーラー服が日本で継承されているのはなぜなのか? 大正・昭和期の写真、少女雑誌の挿絵から、現代のイラストレーターの作品まで、さまざまな視点を通してセーラー服の魅力に迫る。

画像:きもの宝典

きもの宝典 ―きものの花咲くころ、再び

田中敦子/編著 主婦の友社/監修 主婦の友社 2016年

大正6年、きものを装う女性の姿が多く見られた時代に雑誌『主婦之友』は創刊した。本書は歴代の同誌に掲載されたきもの関連の特集を再編集したもの。きものの変遷や着付けの知恵だけでなく、著名な作家のエッセイ、当時の女優や麗人たちなどの姿も見られる。流行・風俗としての一面や文化を垣間見ることができる。きものを着るのは特別な時だけ、という今の日本人にとっては、新鮮に映るかもしれない。

画像:江戸Tokyoストリートファッション

江戸Tokyoストリートファッション

遠藤雅弘/著 ギャップジャパン 1999年

文化の主導権が町人に移り大衆文化が開花した江戸時代。市井の人々の服装や風俗を、ファッションプロデューサーの遠藤雅弘氏が現代のファッションや流行と対比させながら軽妙に語る。「派手で目立つ小物を持たない上方商人」「江戸の高機能ワークウェア」「色町の遊び人ファッション」など、武士や商人から遊女、かぶき者まで、江戸に暮らす人々の生活が感じられる。巻末の年譜「大江戸ファッションダイジェスト」も楽しい。
※購入の問い合わせは不可

画像:江戸時代の流行と美意識

江戸時代の流行と美意識 ―装いの文化史

谷田有史・村田孝子/監修 三樹書房 2015年

現代の女性が好きな女優やモデルのファッションやメイクを真似するように、昔の人々も同じように工夫を凝らしてファッションセンスを磨いていたといわれる。本書では、髪型、髪飾り、化粧、着物など女性の装いを中心に、日本人の身だしなみやおしゃれの変遷について論じている。歌川国芳らの錦絵や、当時の簪、着物の写真など、カラー図版も豊富で、眺めていても楽しい1冊である。

画像:新聞連載小説の挿絵でみる近代日本の身装文化

新聞連載小説の挿絵でみる近代日本の身装文化

大丸弘・高橋晴子/著 三元社 2019年

「身装」とは、人間の身体と装いをひとつにした造語だという。現代より身分や職業による服装の違いが明確で、衣服が高価だった近代の日本では、小説の中の装いにも人々の熱い視線が注がれた。そのため、挿絵は詳細な説明付きの画像として、また、身分による着こなしや仕草の違いが具体的に描かれる点からも、当時の風俗を知ることのできる貴重な資料と言える。本書では、挿絵を年代順に追っていくことで、生活の変遷が鮮やかに見て取れる。

画像:平安朝のファッション文化

平安朝のファッション文化

鳥居本幸代/著 春秋社 2003年

平安時代の服飾は、『枕草子』や『源氏物語』で描かれた、煌びやかな宮廷装束がすべてではない。大陸文化の影響が色濃い平安初期や、院政が始まり下級武士が文化の担い手となった平安後期では、装いのほか、髪形や化粧、装束に用いられた色や文様まで、宮廷文化全盛期とは違いがあったようだ。服飾に影響を与えた生活様式や行事、当時の文化も絡めて考察することで、その変遷を体系的に理解することができる。

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