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日本人の「食」

画像:お雑煮100選

お雑煮100選 ―全国から集めた伝統の味

文化庁/編著 女子栄養大学出版部 2005年

「お正月、どんなお雑煮を食べた?」と周囲の人に聞いてみると、その答えは本当に人それぞれで、あっと驚かされることも少なくない。本書では、文化庁が全国から公募し選定した各家庭のお雑煮が、地域ごとに写真付きで紹介されている。お雑煮は伝統が色濃く残る儀礼食であり、同時に日本の食文化の多様さをも物語る。餅と汁、具によって地域性を表した「全国お雑煮マップ」も掲載。

画像:ニッポンカレー大全

ニッポンカレー大全

水野仁輔/著 小学館 2009年

出張料理ユニット「東京カリ〜番長」の料理主任でもある著者が、日本人の国民食とも言えるカレーに関するトピックを50点取り上げ、日本で独自に発展したカレー文化について熱く語っている。カレーの有名店のみならず、ロイヤルホストの夏のカレーフェア、亀田のカレーせん、有田焼のカレー皿なども登場、カレー愛に溢れる1冊。日本のカレーの歴史も年表にまとめられており、時系列で概観できる。

画像:戦国、まずい飯!

戦国、まずい飯!

黒澤はゆま/著 集英社インターナショナル 2020年

子どものころ、NHKの大河ドラマ「独眼竜正宗」がきっかけで歴史に興味を持った黒澤氏。当時、番組中に出ていた「湯漬け」を食べても美味しくなかったそうだが、それから30年を経て戦国時代の食事を食べてみたい気持ちが復活。赤米、芋がら縄、雑草のスギナなど、現代では考えられないような戦国時代の食べ物を、文献にあたり、専門家に取材し、実際に調理または一番近いものを入手して味わった全9品。さてその味は?

画像:ちゃぶ台の昭和

ちゃぶ台の昭和

小泉和子/編 河出書房新社 2018年

座って食事をする日本文化と、テーブルでみんなが食事をする西洋文化が融合して生まれ、昭和初期には全国に普及したという「ちゃぶ台」にスポットを当てた本。歴史的側面だけではなく、「サザエさん」や「男はつらいよ」などを参考に、昭和期のメディアの中で「一家団欒」「郷愁」などを表現するものとして、社会性の面からも論じている。また、当時の家庭料理の紹介もあり、戦前から戦後の食卓の雰囲気を感じられる。

画像:国民食の履歴書

国民食の履歴書

魚柄仁之助/著 青弓社 2020年

カレー、マヨネーズ、ウスターソース、餃子、肉じゃが。日本人なら食べたことがない人はいない料理や調味料、すなわち「国民食」。しかし家庭に浸透するまでには、昭和初期の雑誌『婦人倶楽部』や『主婦之友』などに「小麦粉マヨネーズ」「油揚げライスカレー」など、首をひねりたくなるようなレシピで紹介されていたそうだ。国民食に定着するまでの変遷とともに、魚柄氏自身が実際に作って試食した感想も面白い。

画像:日本まじない食図鑑

日本まじない食図鑑 ―お守りを食べ、縁起を味わう

吉野りり花/著 青弓社 2016年

まじない食とは、自然災害と隣り合わせで生きてきた人々が、できるだけ被害が小さく済むようにと祈りをささげた時の供物のことで、日本全国に「食べるお守り」として伝承されている。本書では、京都神光院のキュウリに病を封じ込める「きゅうり封じ」をはじめ、実際に著者が全国各地を回って集めた情報が、カラー写真を交えて紹介されている。背景にある民俗・風習や伝統文化、それを支える人々の思いが興味深い。

画像:すし天ぷら蕎麦うなぎ

すし天ぷら蕎麦うなぎ ―江戸四大名物食の誕生

飯野亮一/著 筑摩書房 2016年

今から遡ること200年。江戸の町では100万を超える人々が暮らし、様々な食べ物商売が繁盛していた。その中でも特に人気があったものが、江戸四大名物食として現在でも東京の名物となっている。本書は、これらがどのようにして誕生し、庶民に親しまれるようになったのかをひも解いた1冊。蒲焼売りや天麩羅の屋台、そば屋の店内の様子など、当時の風俗が描かれた絵草紙も豊富に掲載されている。

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