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養老孟司

1937年神奈川県生れ 東京大学医学部卒。
1995年東京大学医学部教授を退官。現在、東京大学名誉教授、北里大学教授。
一般的な心の問題や社会現象を脳科学、解剖学をはじめとした医学、生物学の知識を交えながら解説する語り口は多くの読者を得ている。
著書に『バカの壁』(毎日出版文化賞特別賞)『からだの見方』(サントリー文学賞)ほか多数。

  2003年図書館カルチャー「死と誕生 虚と実−日本文化」

『からだの見方』

養老孟司/著 筑摩書房

大学でのこの方の授業は、さぞや楽しかったであろう。 解剖学という一般的に馴染みのない医学の中でも、さらに堅そうな分野ではあるがぜひ本書を読んでいただきたい。あるテーマを専門的に解説されているかと思うと突然、冗談話がでてくる。それが抜群のタイミングで出てくるのである。きっと、まじめな顔で冗談をいわれているのであろう。作品中には旅でのエピソードなどもあげられていて、どこから読んでも楽しめるエッセイ集。サントリー文学賞受賞作品。

画像:からだの見方

『バカの壁』

養老孟司/著 新潮社

イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。見えない「壁」が見えてくることによって、世界の見方が変わってくる。 人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示している。

画像:バカの壁

『無思想の発見』

養老孟司/著 筑摩書房

日本人は無思想・無宗教・無哲学であるという。では無思想とはどのようなことか。だれだって「自分はある」と思っている。だが、そもそも、それが大きな勘違いで実存的主体としての自分なんかないと冒頭でバッサリ斬られる。昨今「自分探し」や「アイデンティティの確立」などを求められ模索していた日本人にとっては「えっ?!」とショッキングな印象を受ける。が、ご安心あれ、著者はその後「無思想という思想」は思想におけるゼロの発見であり、ゼロだと思えばそこから思想の大きな可能性が啓けると示唆している。

画像:無思想の発見

『養老先生と遊ぶ』

養老孟司/監修 新潮社

 「養老孟司」という人物を一言で説明するのは不可能である。解剖学者で虫好きで、少々変わった性格の持ち主。でも「偉人」。この程度の認識はあったものの、これ程まで多彩な顔をお持ちの方だとは、ただただ平伏してしまうばかりだ。老若男女、有名無名問わず様々な人がいろんなことを聞いてくる。そしてみんなが「先生」と親しみを込めて呼ぶ。遊びの達人たる先生を丸ごと解剖したようなお得な一冊。

画像:養老先生と遊ぶ

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