浦安市立図書館

宮本常一を支えた人びと

  宮本を支えた人々は数知れない。宮本は、家族だけでなく先生や友人にも恵まれた。宮本は若い頃、いろいろな先生の影響で法律や経済学に触れ、日本の古建築、仏像について開眼する。先生の姿勢から物の考え方も学んだ。昼食を御馳走してくれる先生や、宮本の勉強のために進んでお金を出してくれる友人もいた。
画像:家郷の訓

『家郷の訓(おしえ)』

宮本常一 岩波書店

 宮本が故郷と自身の関わりをまとめた代表作。故郷の教えを躾という面からとらえ、子どもの躾における家族の位置や郷党との関係、よき家人・村人となるための教育が生活の中に占める大きさを明らかにしようとした。山口県大島での宮本自身の幼少期の体験を中心に、子どもたちがどのように育てられてきたかを年寄と孫、夫婦、父母、子供仲間等の面から書いている。「父親の躾」に描かれた、宮本に生きる姿勢を教えた父の姿には感銘を受ける。

『日本民俗文化大系3巻』

宮本常一 講談社

 宮本が恩師渋沢敬三について著したもので、アチックミューゼアムと渋沢の研究と実績、生涯、著作解題がまとめられている。「多くの人に接することによって日本の英知とエネルギーを理解することができた」「百姓の動きで日本の将来がわかる」などの言葉から宮本が渋沢にうけた影響の大きさがうかがわれる。本業もありながら、民俗学に多大な影響と貢献をした渋沢敬三の姿を、民俗学の視点から描く。

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