国土の約3分の1が北極圏で、海岸線は、氷河によるフィヨルドが特徴的。 1978年に男女平等法が成立し、女性の働く権利や教育、医療、社会福祉が充実。 代表的な作家★マリー・ハムズン(1882年〜1969年)、アルフ・プリョイセン (1914年〜1970年)、トールモー・ハウゲン(1945年〜)
『夜の鳥』 トールモー・ハウゲン作 山口卓文訳 河出書房新社
ヨアキムの父は、ほかの家の父親のように仕事へは行かない。心の病気が理由だが、それがいったいどんなものなのか、彼にはよく分からない。だが、夜にクローゼットの中に鳥がたくさんいる気がして恐ろしさのあまり眠れなくなる。家族、学校、友達の中で苦しむヨアキムの不安とともに、大きくなる鳥の羽音が、子どもの心の中の葛藤や闇を巧みに表現していく。4年後に書かれた「ヨアキム」は、「夜の鳥」の続編である。
『消えた一日』 トールモー・ハウゲン作 木村由利子訳 文研出版
ある朝、目が覚めてみると、ヴィレムは不思議な感覚に襲われた。昨日のことも思い出せないし、何より父親には自分の姿が透明になって見えていないようなのだ。あこがれのピーターパンが、ネバーランドに行こうと誘ういにくるが、出て行った母親の分も愛してくれる父親の元を離れることがヴィレムにはできない。突然透明人間になってしまった少年の戸惑いと、家族への思いを軽妙なファンタジーを絡めて描いた物語。
『小さなスプーンおばさん』アルフ・プリョイセン作 大塚勇三訳 学習研究社
突然ティースプーンくらいに小さくなってしまうおばさんの、ユーモラスな物語。コケモモとりに行って、急に小さくなってしまうと、知恵を使って動物たちにコケモモの入ったバケツを運ばせるなど、常に動じることなく事に当たり、みごとに事態を解決する。
『小さなスプーンおばさんのぼうけん』アルフ・プリョイセン作 大塚勇三訳 学習研究社
泳ぎを習いたいおばさんは、ためしに沼に飛びこんだとたん、また小さくなってしまった。沼のカエルに助けられたスプーンおばさんの小さなぼうけんの11のおはなし。
『スプーンおばさんのゆかいな旅』アルフ・プリョイセン作 大塚勇三訳 学習研究社
おばさんは、おじさんと自動車で旅に出かけた。おじさんは旅行中におばさんが小さくならないか心配するが、あんのじょう、小さくなったおばさんの上に、買ってきたソフトクリームを落としてしまった。旅の間のスプーンおばさんの5つのおはなし。
『小さい牛追い』マリー・ハムズン作 石井桃子訳 岩波書店
とある谷間の小さな農場。その家の4人の子どもたちは一頭ずつ牝牛を持っている。上の二人の男の子、10歳のオーラと8歳のエイナールは、この夏初めて牛追いをさせてもらうので、とても楽しみにしている。豊かな自然に囲まれた子どもたちの素朴な日常生活をあたたかく描いた作品である。