鉄道の食事の歴史は、旅の発展の歴史と切っても切れないもの です。鉄道が普及し、長距離を移動出来るようになると、 駅の停車時間で慌ただしく買うゆで卵から始まった食事に、 人々は快適さを求めるようになっていきます。機関車の炉の シャベルの上で焼いたベーコン、ホテル顔負けのフルコースを 提供する列車も現れました。その変遷からは、技術の進歩 だけでなく、鉄道と共にした旅に対する人々の思いを うかがい知ることもできます。
夜行列車全盛期だった1960〜70年代、夜行列車は分刻みで ターミナル駅から日本列島を網の目のように行き交って いました。寝ている間に目的地まで運んでくれる利便性 だけでなく、車窓から流れ去っていく街灯りを眺める時間や、 ゆったりと楽しむ食堂車でのディナーなど、夜行列車には ほかの列車とは異なる魅力がありました。惜しまれながら 役割を終えたブルートレインや名列車たちの物語を 振り返ります。
ボーイング747の現役パイロットによるエッセイ。日本では 航空図上、すべての領域を「福岡」と呼ぶといった豆知識や、 「ここよりすばらしい場所はない」とまで言い切る グリーンランドの白い大地と海の青の絶景などについて 書かれています。客席では離陸前に翼端の位置を確認して おくと、飛行中に翼が高い位置に来て私たちを引き上げて いるのが分かるといった見どころ紹介もあります。空を飛ぶ ことへの愛に溢れた一冊です。
江戸時代、日本橋を起点にした交通路である五街道が整備され、 人々はこの道を利用して「お伊勢参り」や「江戸見物」などの 旅行を楽しみました。各街道には幕府が指定した「宿駅」が 置かれ、旅人の荷物の運送や、大名の宿泊場所として提供されて いました。旅人たちにとって必要不可欠な存在であった一方で、 赤字運営のため、幕府からの助成金を他に貸付け、その利子を 収入にしていたなど、当時の厳しい財政も明らかになります。