町誌・市史
現在、浦安市の町誌・市史は6冊あり、保元2年に集落が結成されてから市制施行15周年にあたる平成8年に至るまでの記録が収められている。浅海漁業地であった浦安は漁業権を放棄して以来、首都圏の住宅都市、リゾート観光地として発展してきた。その一方で古くからの漁師町の名残をとどめ、古い習俗もたくさん残っている。面積においても人口においても数倍増という大変化を遂げてきた浦安市の今昔の姿を知ることができる貴重な記録である。
- 『大正6年浦安町誌(復刻)』 浦安市役所/編
- 『浦安町誌 上巻・下巻』 浦安町誌編纂委員会/編
- 『浦安市史』 浦安市史編纂委員会/編
- 『浦安市史 まちづくり編・生活編』 浦安市史編纂委員会/編
浦安のまちづくり
浦安市内では、新町地域における未利用地も残り少なくなってきた。埋立て造成後、市域が急激に拡張した時期、当時の関係者がどのような構想を持ってまちづくりに臨んだのか、未来の市民に何を残そうと考えていたのだろうか。それを知ることは、新規居住地開発が一段落し、成熟期に向かおうとしている浦安市のこれからのまちづくりを考える上でも大切なことである。以下に紹介する資料は、どれも10〜20年ほど前のものであるが、未来に通じるまちづくりの理念を知ることができる。
- 『浦安のまちづくり1990・1993・1996』 浦安市都市整備部市街地開発課
- 『浦安まちづくり研究 1・2・3』 浦安市都市整備部市街地開発課
- 『まちづくりがわかる本-浦安のまちを読む』 浦安まちブックをつくる会/編著
浦安の歴史
保元2年には、浦安に部落が存在したとの記録があるが、長い間、半農半漁の小さな漁村であり、境川にひしめくベカ舟の光景は当時の浦安の象徴的風景であった。漁業以外にめぼしい産業がなかった浦安は、その漁業を放棄して以降、急速に発展し、東京ベイエリアを代表する都市に成長した。そんな浦安の歴史を記した資料には、現在の姿とはまったく異なる漁村の風景が写されている。ほんの数十年間で大変身を遂げた浦安の歩みを知ることができる。
- 『浦安のできごと』 浦安市郷土資料館/編
- 『浦安の歩み』 浦安町誌編纂委員会/編
- 『浦安いまむかし』 浦安を知る会/編
- 『海と浦安』 前田智幸/著
浦安の漁業
三方を海と川で囲まれた浦安は、かつては活気のある漁師町であった。境川では千艘を超えるベカ舟がひしめく光景が見られ、東京湾の豊かな干潟を背景に、アサリやハマグリなどの貝の採取や海苔の養殖やボラやアオギス、カレイなどの漁が盛んに行われていた。時代が変わって工業化が進み、漁業権を放棄することになるが、漁業の技は浦安の伝統として現在も語り継がれている。郷土博物館においては、常設展のほか数々の企画展が催されており、複数の漁業に関する調査報告書やパンフレットも刊行されている。
- 『海とともに 浦安市漁撈習俗調査研究書』 浦安市教育委員会/編
- 『浦安のベカ舟 浦安市ベカ舟調査報告書』 浦安市教育委員会/編
- 『海苔のできるまで』 浦安市郷土博物館/編
- 『企画展「おらんハマのゆくえ」浦安・黒い水事件から50年』 浦安市郷土博物館/編