浦安ゆかりの文学
江戸末期に安藤広重が絵にしたのどかな漁村「浦安」。その後のまちの姿を描いた文学としては、山本周五郎の『青べか物語』が有名だが、山本周五郎の他にも浦安を訪れ、暮らし、作品を著した作家達がいる。友人の営む貸本屋に店番として訪れ、「ゴッホのペン画のようだ」と呟いた詩人草野心平。スケッチと町の人々との交流を楽しんだ山口瞳。晩年を静かに過ごした大庭みな子。彼らの作品から移り変わってきた浦安のそれぞれの時代の景色をうかがい知ることができる。
- 『浦安うた日記』 大庭みな子/著
- 『草野心平全集 1巻・9巻』 草野心平/著
- 『草野心平 凸凹の道-対話による自伝』 草野心平/著
- 『酔いどれ紀行』 山口瞳/著
- 『炎のなかの休暇』 吉村昭/著
『青べか物語』
作家の山本周五郎(1903〜1967)は昭和3年、通りすがりの浦安の風景に惹かれ、この地で1年余り暮らした。当時彼は25歳。失業中の苦しい生活の中、人々とのふれあいは忘れがたい経験だったようだ。浦安を離れて約30年後の昭和35年、「青べか物語」は雑誌に掲載され、人気を博した。昭和初期の浦安を舞台に、商魂たくましく毎日を生きぬきながらも素朴な庶民たちの日常が描かれている。少し変えてある地名や店名から、現在の場所と比較できることが一層興味深い。
- 『青べか物語』 山本周五郎/著
- 『青べか日記』 山本周五郎/著
- 『山本周五郎の浦安』 木村久迩典/著
- 『周五郎が愛した「青べかの町」』 浦安市生涯学習課/編
昔の風景
浦安の動脈とも言える「境川」。かつては生活用水として利用されていたため、両岸には寄り添うように人家が密集し、水面にはベカ舟がひしめくように浮かんでいた。夜が明けきらぬうちからたくさんの舟が数珠繋ぎになって、沖に広がる広大な干潟へと出かけていく光景が見られた。人々は、漁場、貝や海苔の養殖場、船宿、貝むき場、缶詰工場、行商、船大工、貝灰工場、海苔干し場などで働いた。写真集からは昔の漁師町「浦安」の風景を見ることができる。
- 『境川の人々』 北井一夫/著
- 『浦安 「浦安」青べかの消えた街の詩 17歳の視点から』 秋山武雄/著
- 『浦安 元町1975-1983』 黒田勝雄/著
- 『浦安 1965-1972』 小泉定弘/著
- 『うらやす 浦安誕生百周年記念写真集』 浦安市自治振興課/編
- 『市川・浦安の昭和史』 安藤操ほか/編
参考ホームページ
浦安市役所
http://www.city.urayasu.chiba.jp/
浦安市郷土博物館
http://localbox.city.urayasu.chiba.jp/kyodo_box/index.html
他にも「浦安」に関する資料はたくさんあります。
次ページに主な資料の一覧がありますので参考にしてください。
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