学校のクラスや部活で友情を育んでいく。毎日の生活のなかで、ちょっとした事件が 起こり、行き違いから誤解が生じることも。 “子どもだって、いろいろあるんだよ。”
『バッテリー』 あさのあつこ作 教育画劇
「原田とバッテリーが組めるって、すごい喜んじゃって。豪に言わせれば、すごいチャンスなんだって、原田がいるのにいっしょに野球をしないなんておかしいって」(中略)「あいつ、才能ありますよ。永倉となら、バッテリー組めるから」
父親の転勤で転校してきた中学生の巧はピッチャー。自由自在にボールを投げられた。病弱だが野球の楽しさを知っている弟の青波、弟に過保護な母、野球のことはわからない父に囲まれてくらす。理由のない苛立ちを抱える巧だが同級生のキャッチャー、豪と出会い変わっていく。
『ユウキ』 伊藤遊作 福音館書店
「そんな占いなんて、でたらめに決まっているだろう。くだらないことで、さわいでいるなよ。」
ケイタには、「ユウキ」という名前の仲良しの友達が三人いた。しかし、皆転校していってしまった。
6年生の新学期にケイタのクラスに来た転校生は優希という女の子。ケイタは同じ名前に驚いて優希のことが気になり始める。優希は得意の占いでクラスの人気者になるが、あることが原因で孤立してしまう。
『リバウンド』 エリック・ウォルターズ作
小梨直訳 福音館書店
「打てるシュートは、ただ打つまでの話。問題は、入らなかったやつをどう入れるかだって。リバウンドの話だよ。」
バスケの選手の座を狙いながらもイマイチな13歳のショーンの前にあらわれた車いすの転校生デーヴィッド。
バスケの腕はショーン以上!女の子を笑わせるのもうまい。
二人の友情は深まっていくが、勝気なデーヴィッドの行動は過激で、裏には深い絶望があった。
『Dive!』 森絵都作 講談社
「トモはおれたちのこと、べつにライバルとも思ってないし、ただマイペースに飛んでいるだけで、勝っても負けてもどうでもいいって顔してる。そんなやつにだけはおれ、負けたくねえんだよな」
小学生の時、高飛び込みに魅力に取りつかれクラブに通い始めた知季。コーチの息子で完璧主義の要一。青森の海にしか飛び込んだことがなかった沖津。
3人はアメリカ帰りの女コーチの指導に反発しながらも、クラブの存続条件でもあるオリンピック出場を目指す。
『ジェイミーが消えた庭』キース・グレイ作 野沢佳織訳 徳間書店
「おれ、クリーピングしか得意なものがないだろ、だから一番になりたいんだ。数学とか国語とか勉強はどうでもいい。
もっと年食ってからがんばればいいさ。就職とか、そういうことのために。けど、クリーピングは今しかできないゲームなんだ」
よその家の裏庭を駆け抜ける競技「クリーピング」に、ぼくとジェイミーは夢中だ。
マル住(住民)に目撃されても、捕まってもゲームオーバー。
その夜、二人が挑戦したのは、まだ誰も成功したことのない難コース。だが、ぼくがドジをふんでジェイミーは捕まってしまった。