人生の曲がり角に立たされ困難に立ち向かう。それでも子どもたちは戦い続けます。 生きるのに必要な何かを求めて進んでいきます。 “信じる、生きる力を。”
『シェパートン大佐の時計』フィリップ・ターナー作神宮輝夫訳 岩波書店
「ぼくがあけるの?」デイビドは聞いてみた。
「だれかがあけなくちゃならないんだ。」おとうさんがいった。「おまえが最初に考えあてたんだから。」
大工の息子デイビドの家で時を刻む大時計は、その昔、おじいさんがシェパートン大佐から預かったものだった。ある日デイビドとアーサー、ピーターの三人は、古新聞の記事から、大戦の前夜に大佐が焼死していたことを知る。その日、何が起きたのか?三人は、その謎と時計の秘密に近づいていく。(シリーズあり)
『靴を売るシンデレラ』 ジョーン・バウアー作 灰島かり訳小学館
「会社をどうやって救うのか、あたしにはまったくわかりません。でも家族を救うことなら、少しはわかっています。信頼する人たちを全員集めて、はっきり素直に話して、みんなにもそうしてもらうんです。真実には、力があるからです。(中略)でも問題があるときには、はっきり言わなくちゃダメなんです。そうすれば真実が明るみに出て、新しい風が吹きます」
ジェナは靴店でアルバイトをしている16歳の高校生。離婚した父さんはアルコール中毒で家族に迷惑をかけているし、おばあちゃんは病気で施設暮らし。家の問題があっても、仕事に打ち込んでいたジェナは、社長から靴を売る才能を見込まれて、シカゴからテキサスまでの特別なドライバーに雇われる。そして、会社存続のため社長の仕事を手伝い始める。
『青いイルカの島』 スコット・オデル作 藤原英司訳 理論社
「そのころのことは、ただ太陽が、なんども昇っては沈んだということいがい、あまり、おぼえていません。ひとりになったわたしは、まず、なにをすればいいかということを、かんがえました。」
アリュート人から攻撃され、多くの人たちが死んだ「青いイルカの島」。生き残った島民は助けにきた船で脱出するが、少女カラーナと弟が取り残されてしまう。
やがて弟が死に、カラーナは野犬を友に、たった一人で18年間生き抜いた。アメリカ西海岸の島の実話をもとにしたおはなし。
『ある小馬裁判の記』 ジェイムズ・オールドリッジ作
中村妙子訳 評論社
「法に基づき_すなわち法の前に平等な二人の人間の問題として、ことは解決される」
不毛の開拓地に住む貧困農家の野生児スコティーと、金持ちの一人娘だが足が不自由なジョジー。
二人は一頭の子馬をめぐって争うことになり、町の世論も二分される。
真に公平な裁判を実現するため、弁護士の父さんは法廷闘争に立ち上がる。
『オオカミに冬なし』 リュートゲン作 中野重治訳 岩波書店
「男たるべきものは、すくなくとも一生に一どは、全身全霊をかたむけつくす仕事、そしてそのことを、じぶんの子どもたちが誇りにできるような何ごとかを、しとげなければならない。」
北極の海で、氷に閉ざされた捕鯨船団を救うため、徒歩で救助に向かった船乗りがいた。
誰もが無謀と止めるなか、現地人や仲間の助けを得て、見事に目的を果たす。
何が彼を突き動かしたのか。彼には誰にも言わない、暗い過去があった。