浦安市立図書館

 抗うことのできない戦争や時代の嵐。差別や暴力、どんな環境におかれても、

子どもたちは明日を待って生きていきます。
“完全無欠な大人なんていないのさ。さあ、新しい時代を作っていこう!” 

『海の島』 アニカ・トール作 
菱木晃子訳  新宿書房

「お願いです。どうか、よい年に。あたし、いい子でいるよう努力しますから」 *1939年の大晦日。新しい年がはじまるその時にスティフィがつぶやく。
 第二次世界大戦中、ナチスドイツの支配が強まりはじめたドイツ。二人の姉妹ステフィとネッリは家族と離れ、スウェーデンの漁師町で暮らすことになる。
別々の家に引き取られた二人はドイツ語も通じず、文化も違う中、懸命に生きていこうとする。(シリーズあり)
『ベルリン1919』 クラウス・コルドン作
 酒寄進一訳理論社

「おれが希望をつないでいるのは明日や明後日じゃない。ずっと先だよ。おれたちがはじめたことは、大変なことなんだ。数週間や数か月で片付くものじゃない。何年も、いや何十年もかかるかもしれない。」
 第一次世界大戦で、片腕を失くして帰ってきた父。貧乏アパートで暮らす13歳のヘレは、飢えと寒さの中で、水兵の反乱にはじまるドイツ11月革命とその崩壊をまのあたりにする。ヒトラーの台頭、第二次世界大戦へと続く3部作スタート。(シリーズあり) 
『僕は、そして僕たちはどう生きるか』 梨木香歩作 理論社

「僕はあのときずっと、声がかけられなかったんだ、君に。ということはやっぱり、気づいてたんだ。分かってたんだ、君の気持ちを。」
 僕は叔父のノボちゃんと、一番仲の良かった友達のユージンの家を久しぶりに訪ねる。ユージンは6年の時に学校に来なくなり、2年以上経っても、僕にはその理由がわからなかった。彼は広く深い自然に囲まれた家に、たった一人で住んでいた。従妹のショウコが来て、庭に隠している秘密を打ち明けたことから、僕は今まで見てこなかったことと向き合っていく。 
『ボグ・チャイルド』 シヴォーン・ダウド作
 千葉茂樹訳 武蔵野ゴブリン書房

「なんにもしないで後悔するより、なにかして後悔するほうがいいと思うんだ」
  ファーガスは医者になりたい。
だが、アイルランド独立闘争に身を投じて獄中にいる兄がハンガー・ストライキを始めた。闘争に加われば兄を助けるといわれ、自分が罠にかかったことを悟る。憎しみの連鎖を断ち切る道をファーガスは求める。
『ビリー・ジョーの大地』 カレン・ヘス作
 伊藤比呂美訳 理論社

「「父の娘」だから、あたしは。」
 大恐慌時代のアメリカ。土嵐が街を襲い、農作物は育たない。
14歳の少女ビリー・ジョーは、事故で母親と生まれるはずだった弟を失った。
何もかもが行き詰る中、彼女は得意のピアノで自分を取り戻す。しかし事故の原因であった父親を、彼女は許せなかった。

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