工芸に息づく和の色
春霞に煙る山々、夏の木漏れ日を写す水辺、黄金の稲穂のそよぎ、雪原の夕映え…。
日本人は古来より、季節の移ろいや、自然の一瞬の輝きを愛でてきました。その豊かな感性は、陶芸・染色・硝子などの工芸品に見られる日本独自の色の文化にも息づいています。
今回の展示は、日本の基本色彩である赤、紫、青、緑、黄、茶、白黒、金銀の色の美しさを生かし、今日まで受け継がれてきた工芸品の本を集めました。
手仕事によるものづくりは、時代や生活様式の変化にともない、あるものは衰退し、絶滅していきました。
しかし、現在も私たちは、身のまわりに残る多くの工芸品に、日本の自然やくらしに調和する和の色を見いだすことができます。
日本の工芸に息づく優美な色彩文化をどうぞご堪能ください。